ツーリングメモ 奈良編   最終更新日 2001年5月20日
  引っ越ししても奈良に近い大阪に住む癖がついている...



2000/7/17 奈良県吉野郡天川村 天河神社

 ”天川”と聞くだけで行きたくなる。とても心地よい場所。バイクライフを初めてかれこれ4台目になるが、たぶん一番この場所へ行っている。何か惹かれる神気のようなものがあるような気がする。今はR309の天川付近にトンネルができたのでだいぶ早く行くことができる。しかし、R309の醍醐味は旧道にある。角川映画”天河伝説殺人事件”を高校の時見て、”絶対行っちゃる!!”と心に決めていた。しかし、映画のような神社はなく、えらくさっぱりした神社だった。映画に出てきた神社は滋賀県の”沙沙貴神社”(ささき)ということを聞き、ちょっとがっくりする。
 今回の目的は、天河神社の夏の大祭である”能楽の奉納”の収録である。”これは個人の楽しみとして行うものだから録らせて”と宮司にお願いしたら、あっさり”いいよ!”とのこと。早速マイクの位置を決めようとしたのだがなかなか良い場所が見つからない。そうこうしているうちに幕開き前の曲が始まり、思い切ってだいぶ前の方の空いている席へ移動。”カンッ”と高い音を発する”大皮”の真正面へ陣取ったため、えらく耳の痛いツイーターキラーな音が録れた。
 R309は、吉野の町からは峠ばかりでちょっとCB50にはつらいが、かなり気持ちよいお気に入りの日帰りツーリングロードである。なんせ1本道。途中、”丹生川上神社”という日本最古の水の神様を祭る神社など、見所はたくさんある。できるだけトンネルを使わず旧道を走る。時間はかかるが通行量は極少なく快適なワインディングロード。
 今まで乗ってきたスクーターでさんざん峠道を走り回ったおかげで最初の1台と3台目はつぶれた。走行距離の3分の1くらいが峠道を走行しているが、やはりスクーターではつまらない。CB50に乗り換えてからは快適である。とにかく天川へは数え切れないほど行った。

(お願い)滋賀県沙沙貴神社の場所を知っている方はぜひご一報をお願いします。
↑場所わかりました。沙沙貴神社

洞川
 天河神社にほど近い所にある有名な宿場町。大峰山への登山・修行者達の宿場として栄えた町。ここへ行くと絶対”名水とうふ”を食わねばならない。絶品である。スーパーの豆腐が食えなくなるくらいうまい。私は天河神社と能と豆腐はセットでツーリングに出かける。


竜泉寺
 洞川のはずれにあるお寺。ここから名水が湧き出ている。自由に飲めるようになっているので是非お試しあれ。


御手洗渓谷(ミタライ)
 秋になれば、観光客の車で身動きがとれなくなる。渓谷へ入っていけば、美しい渓谷美を楽しむことができる。夕暮れに岩場でボーッとするのもまた一興。(ちょっと怖いが)
 すぐ近くを流れる川の水が不気味なくらいきれい。川底が青く見えるので吸い込まれそうだ。


行者環(ギョウジャカン)
 2002年3月末まで、峠のトンネルは補修中で通れない。 通算1度しか走破していない。
 この道はすばらしい。天川(川です)の脇を縫うように登っていく。何とも水がきれいで、川底が
青く透き通って見える。(河原に時々野生の鹿が現れる)トンネル付近では清流となり、キャンプしている人もいる。(禁止だが)
 トンネル手前から、”弥山”という有名な山へ登れる。なんとも荘厳な山である。その登山口付近も良質な録音スポット。清流と鳥の声が録れる。
 行者環からR169へ出られる。峠の行者環トンネルには”出る”という噂がある。夜間走行注意。(相当のカクゴが必要) 確か晩秋頃から道路が閉鎖される。秋の紅葉シーズンは美しい景観。



奈良県天理市 石上神社(イソノカミ神社)
 録音機材を持って奈良をフラフラ走っているときに発見。天理に近いのと日陰が多いので、休憩の車が多い。静かなところなのでアイドリングはヤメロと言いたい。この神社には鶏が放し飼いになっている。夕方にくるのがベストだろう。



十津川
 R168をひたすら南下。途中”日本最大の吊り橋”があるが、一度見ているのでパス。和歌山との県境付近にあったドライブインで”米躑躅”(コメツツジ)なるものを購入。すごく珍しいものらしい。”あぁ、オレも盆栽1年生だ”と思って持って帰ったが、育成条件が難しく帰宅後1ヶ月ほどでミイラと化す。ゴメンネ。かわいそうなことをした。ちゃんと水をやるだけではダメだった。温度管理が必要だったのだ。目指せ盆栽ライダー。

 追記
 吊り橋は一方通行です。渡り終わったらバスで戻ってきましょう。徒歩も可能ですが、大変です。



大台ヶ原
 1996年頃から時々マイクとレコーダーを持って遊びに行く。本当に奈良県の端っこである。ここへはかれこれ14回ほど行ったが、雨に降られたのは1度しかない。しかもそのときは軽四だった。まことに私は晴れ男であると実感できる。何しろ大台ヶ原は年間降水確率日本一である。
 奈良県吉野町からR169をひたすら南下する。吉野を抜け、川上村付近から快速コースとなるが、快速区間は短く、パワーのないCB50では非常につらい。途中3度ほどエンジン冷却のため小休止を取る。道の脇へ止め、山を眺めていると、大きなバイク達が次々と通り過ぎていく。時々挨拶してくるのでそれに答える。
 県道40号。大台入り口から一気に標高1600m台へ登っていく。最初の数キロは、森の中といった感じだが、森を抜けるとそこは背の低い針葉樹の世界が待っている。登り口付近からは山の冷気により、わりと良くエンジンは冷えて回ってくれる。ここでは決して無理はできない。ここで壊れるとすごく難儀だ。エンジンをいたわりながら快調に登っていく。針葉樹の背も低くなりかけた頃、縦走状態の道になる。ここは絶好のビューポイント。ここでも一休み。
 最近は大台の鹿が増えているため、木の皮を食われぬように木に網が撒いてある。一番最初に大台へ行ったときにはあまり見かけなかったが、最近はかなり被害が出ているようだ。噂で”オオカミ”を放して鹿を減らすということを聞いた。鹿も減るが人間も減るのでどうかと思う。オオカミなないでしょう...
 大台に到着。休日ならライダー達もわりと多く、ほとんどはテントを持ってきている。私はマイクとレコーダーをセットし、歩きながら録音できるセットを装着する。遊歩道を散策しながらの録音は非常に楽しい。使用するマイクは”無指向性エレクトレットコンデンサ”(測定用のマイクを2本)セットし、ヘッドフォンでモニターしながら歩いていく。観光で行くなら午前中がベストだが、録音に行く場合は夕方がベストだ。人が少ないし、遠くの音まで録音できる。しかし、駐車場の端にある出店の発電器の音が大きく、かなり暗くならないと止まらない。発電器が止まる頃には辺りはすでに薄暗い。鹿の突撃をおそれながらの録音は恐怖である。
 一度、かなり大きな牡鹿と遭遇し、肝を冷やした覚えがある。鹿には大きな角、一方こちらは軽量アルミ製のランタンスタンド兼マイクスタンドとマイクケーブル。どう考えても勝ち目はなく、両者”ガン”を飛ばしながら様子を見ること約10分。(そのくらいの長さに感じた)鹿は遠くの鳴き声に誘われて去っていった。こっちは冷や汗タラタラである。あぁ怖かった。
 基本的に、大台へは録音を目的に行っているので、観光という意識はあまりない。やはり下界の音とは違い、澄みきっているすばらしいサウンド。何とかしてこの音をうまく録音できるようにと、かれこれ9回くらいレコーダーを持ち込んだ。一人で夕方ヘッドフォンをしてへんてこりんな格好で歩いている細身の男を見かけると、声による挨拶は良いので静かに通り過ぎてほしい。30メーター四方の音は拾っています。通り過ぎた後”変なヤツ”とか”危ない人かなぁ”という声はまる聞こえです。注意しましょう。



奈良県春日大社(奈良公園)
 1998年より、”春日若宮おんまつり”へ行く。12月の極寒の中、マイクとレコーダーを持って雅楽の収録へ出かける。昼間はとても観光客が多く、人混み嫌いな私は寄りつけません。(昼間の行事はNHKのBSで放送されるものを見ることにしている) 注目すべきは夕方からの雅楽と舞楽で、”おたびしょ”というところで行われる。ここの録音はテポドンクラスの難易度で、何度録音してもうまく録れない。毎年帰ってからのチェックで撃沈される。
 最後、神様が帰って行くシーンがある。ここでは神様を”音”で囲み、(周りで”オーーーー”という声)楽と太鼓を引き連れてお帰りになる。その太鼓が気合いの入った太鼓で、遠くの方から”ドシッ ドシッ”と近づいてくるのは迫力がある。マイクの前を通り過ぎるときには、さらに気合いの入った音が収録できるのでこちらも気合いが入る。まさに鼓動だ。なお、おんまつりの収録には特別な許可が必要です。(神様がお帰りになるときだけ)


奈良県興福寺 薪御能(奈良町界隈) 2001年5月11・12日
 はっきり言って今回は怒っている! 高いパンフレット(1000円也)を買ったので言わせてもらう!

 興福寺は”薪能”発祥の地として有名。有名すぎて人が山盛りやってくる。能楽・舞・狂言は、さすが国宝クラスである。すばらしい文化遺産である。が、客に媚びているのかPAが入っている。これがヨクナイ。非常にヨクナイなぁ。ドリフでいう”ダメダコリャ!”に匹敵する。匹敵しても無敵である。音がひどくて...
 外国人観光客はスピーカーを睨み付け、客は”スピーカーがなければ”とつぶやいていた。あぁ悲し。


法隆寺
 夜、気分が晴れないときや、暑苦しい夜など(涼しくても走るが)よく気分転換で法隆寺まで来る。別に何をするわけでもないのだが。タバコを吸っていた頃には一服してからR24へ出て、R155−R166を通り、竹ノ内峠を越えて帰ってくる。ナイトツーリングにはちょうど良い距離。ラーメン屋によっていくのも良し。
 結構、同じような考えをしているナイトライダーと門の前ですれ違ったことがあるが、なんせ夜中。双方が”あぶねーヤツかもしれん”と思っているので昼間のように気軽に挨拶は出来ない。
 (文化遺産なので、たばこ・火の元に注意)



信貴山
 R25沿いの斑鳩町より”信貴山入り口”を目指して登る。わりと急坂があるがR308ほどではなく距離も短い。山頂にはお寺の塊があり、入り口にどでかい”トラ”がある。中に、とても見晴らしの良い”清水の舞台”のような場所がある。夕方行くのがよい。ちょっと怖いが...



奈良県明日香村(石舞台と石群 new亀石)
 休日、しかも観光シーズン中に行くのは自殺行為である。(渋滞で)それに土日は2輪通行止めのところがある。2000年初夏、新しい亀石が発見されたと聞いて見に行く。テレビで見るよりもわりと小さく、なかなかかわいい。ついでに明日香の巨石シリーズをすべて見学。やはり50ccは取り回しで有利だ。250ccと400ccのバイクは駐車場からだいぶ歩かなくてはならず、しんどそうだ。駐車料金も高いし...
 学生の頃、大阪からマウンテンバイクで来た事がある。竹ノ内峠をチャリで越えるのはダッシュで2000Mくらい走るのに匹敵する。当然マウンテンバイクはフルチューンである。(フル軽量アルミフレームにマニトゥーサス付きで約10Kg)



奈良県室生寺 室生竜穴神社
 1998年の台風17号で、大被害を受けた室生寺。かわいそうなので見に行くこととする。R165−県道28号。この順で行ったが、えらく混んでいた。
 台風の被害を受けた五重塔は、作業用のシートに包まれていてちょっとしか見ることができず(あたりまえか)さらに奥へ進む。直径1.5mクラスの巨木がボコボコ倒れていて、被害の大きさを推測できる。観光客多し。”奥の院”へ行く石段はR308に通ずるところがある。私のエンジンがオーバーレブになる。ローで登った。
 室生寺からちょっと離れたところにある”室生竜穴神社”は、とても良い。なんせ観光客が一人もいない。昔ここで雨乞いを行っていたという。”これより先、神域により立ち入りを禁ず”との看板があちこちにあり、神秘を感じる。ここでのんびり過ごしてから帰路に就く。



奈良県長谷寺
 どうも私は、社寺仏閣が好きなようだ。爺臭いといわないでおくれ。まだ若いのだ。(気分だけ)
 R166竹ノ内峠を越え、R165沿いにあり、”ぼたん寺”と、長い回廊で有名なお寺。しかし、回廊には、変な音楽とアナウンスが流れていてちょっといただけない。ちょうど牡丹が咲いていた時に行ったのだが、節操のないアナウンスのため、幻想的な雰囲気はぶちこわしである。勿体ない。過剰サービスは良くないのである。省エネで行こうよ。
 ここにもレコーダーを持ってきたのだが、あえなく断念。ああ無念。ゴ〜ン。



談山神社
 上記の長谷寺からの帰り道、看板を見つけてR165から県道37号へ入り、小高い山の上にある。ここは”藤原鎌足”を祭ってあるのだが、時すでに遅く入山できなかった。門の外からとても美しい建物を眺めて帰る。ここも土日は観光客の嵐だろうなぁ。



津風呂湖
 奈良県吉野郡吉野町にある。R166竹ノ内峠を越え、県道30号御所香芝線でR309で吉野へ。R169に乗って吉野神宮前を過ぎてしばらく行くと”津風呂湖”の看板がある。ここには録音を目当てに来たため夕方到着した。運良くダムが放水中であり、迫力の放水音を録れた。大量の水の音は恐怖心をさそう。



吉野山 吉野神宮
 上記の”津風呂湖”へ行く途中にある。春には吉野桜が有名。シーズン中は土日に行くと身動きがとれない。平日でも人は多い。この辺りには”柿の葉寿司”の老舗があるが、高級すぎると逆に味が微妙でよくわからなくなる。(確かに旨いが私は庶民舌)吉野神宮よりさらに奥へ進むと”後醍醐天皇陵”がある。いずれもすばらしい建造物。




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